数年前の「猫バンバン」キャンペーン覚えておられますか?停車中エンジンルームに暑さ寒さを避け猫が入る。エンジンがかかるとパニックに陥った猫が機器に巻き込まれ痛ましい展開に。その防止にエンジンをかける前、車のボンネットをバンバン叩いて(居るかもしれない)猫に知らせようというもの。
日産:#猫バンバンプロジェクト 猫も人も安心して過ごせる社会のために。
美談として流通したが、そんな場所で寒暖をしのぐ猫は野良がほとんど。そんな猫の多い現実がそもそも問題と思っていた。身近な所でヒッソリと誰にでも、野良猫は関わっている。
こんにちは。木村悦子です。(^-^)
前回記事(約1年前)がお蔭様でよく読んで頂けたので、2017年度版を作りました。先日(17/6/11)開催「はじめましょう!地域猫セミナー」の質疑応答と共にお届けします。
Contents
「松戸市地域猫状況」概観(2016~2017)
松戸市内で野良猫に悩む人の状況はさほど変わりませんが、地味なレベルで改善しています。
2016からの進展
- 「広報まつど」(松戸市広報紙。約50万部発行)…地域猫活動が初めて表紙に特集
- 地域猫バッジの申請書…ダウンロード可能に(以前は申請書をもらうのも窓口のみ)
- 補助金額…昨年比トータルで微増(予算総額が過去最高の1,390,000円に)
「広報まつど」2017年4/1号(月2回発行)
年度 | 予算総額(万円) | 補助金額/1匹(円) |
H26 | 75 | 5,000 |
H27 | 100 | 5,000 |
H28 | 122 | オス5,000 メス7,000 妊娠メス9,000 |
H29 | 139 | オス5,000 メス7,000 妊娠メス9,000 |
飼主のいない猫不妊手術助成金推移(松戸市)平成26~29年(筆者作成)
全体に緩やかに良くなっている事は見てとれますね。では、簡単に地域猫のおさらいから…
地域猫活動とは
飼主のいない猫(野良猫)に不妊去勢手術を施し、地域住民で餌やり・トイレ始末をして「地域で飼っている猫」として一代限りの生をまっとうさせる「地域の環境活動」(「猫保護活動」ではない)。
地域猫活動のメリット
- 不妊去勢により確実に猫が減る
- (個人でなく)地域住民(複数)で世話をするため、継続に無理が無い
- 住民コミュニケーション活発化により、副次的に環境安全化も
野良猫対策に現状ベストの方法として国(環境省)、千葉県、そして松戸市も推進しています。
環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(PDF)16ページ参照https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2202.pdf
改めて定義・理念を眺めると「素晴らしい活動」と私は心から思うんですが…「素晴らしい活動」の多くがそうであるように、地域猫もすぐにうまくいく!ものでもないようで。その辺の話もしつつ、いま松戸市で使える制度をみていきます。(2017年7月現在)
Q1 猫の不妊去勢手術をしたい。使える補助金はありますか?
A1 松戸市飼主のいない猫の不妊・去勢手術補助金があります。
昨年に引続きいったん病院に手術代を全額支払い、後日、補助金を受け取る形です。申請書をダウンロードしてお使い下さい。
※平成29年度=平成29年4月1日~実施された手術対象。
Q2 補助される金額はいくらですか?
A2 平成29年度は以下の通り。(平成28年度と同額)
松戸市飼主のいない猫の不妊・去勢手術補助金(H29年度)
性別 | 補助金額(円) |
オス | 5,000 |
メス | 7,000 |
メス(妊娠中) | 9,000 |
参考:不妊去勢手術費用相場(松戸市)
性別 | 金額(円) |
オス | 10,000~15,000 |
メス | 20,000~30,000 |
※出典:はじめましょう!地域猫活動(2016セミナー)
(2)【報告】はじめましょう!地域猫活動 八柱動物病院 中島昭満先生(獣医師)のお話|木村悦子のブログ2013-
手術代は相場の低いほうの金額、半分ほど補助してもらえるイメージでしょうか。補助金額には日本そして松戸市の一般市民の動物福祉意識の現状が反映されていると思います。(注:それを高められるのは市役所ではなく市民です。これについては後でまた)
千葉県
昨年まで紹介していた「地域猫団体(3人以上)を作り申請、通れば無料で野良猫の手術ができる制度」がありましたが、今年は未だ千葉県のWEBサイトに案内が出ていません。(例年6月頃掲示) ※5ヵ年計画で実施だったため、このタイミングで廃止の可能性高。
https://store.line.me/stickershop/product/1138332
(以下17/7/8追記)と思っていたらこんな対応になりました。(平成29年度から、制度を使える市と使えない市が分けられました)
「飼い主のいない猫不妊去勢手術事業実施計画」の募集について/千葉県
風のたよりでは、千葉県の独自見解により「もう地域猫が盛り上がってきた所は県の施策は必要ないね」と判断された市は対象から外されたようです。
そもそも猫の写真を事前に取れとか、捕まえ難い野良猫を期日指定して持ち込めとか、使い勝手の悪さで普及もへったくれもない制度でしたが…(事実、普及してない)
個人的に千葉県の動物関連施策に言いたい事は書けないほどありますが、野良猫問題に心を痛める県民はあまり千葉県をアテにしない方が精神衛生上良いでしょう。
まとめ
現状、松戸市にお住まいの方が野良猫不妊去勢手術に使える公的制度は「松戸市の補助金」のみです。
Q3 補助金以外に松戸市で地域猫活動に役立つものはありますか?
Q4 希望者は地域猫活動者バッジが借りられます。
2016年からの変更点:運用が少し改善され申請書がダウンロードできるようになりました。(以前は窓口のみ)平日17:00までに役所の窓口に申請しに行けない市民は多いはずですが、役所の方々はそのような「些細な事」は想像なさらないようでしたので、驚いて依頼したら変わってました。
一応、「対面で」「お話を聞かせていただいて」から貸与するそうです。(それで「お断り」って逆にできるんだろうか??…)なので、それなりにキンチョーして取りに行きましょう…
Q4 猫の捕獲器は松戸市で借りられますか?
A4 現状、千葉県からしか借りられません。(2017年7月現在)
昨年と同じ回答になりますが、松戸市の方の場合、高柳の動物愛護センターへ問合せして下さい。
動物愛護センター東葛飾支所案内図/千葉県
地域猫セミナーに来ていた方に聞くと、近くの動物病院で借りたなど皆さん苦労されているよう。手術をする側からは、野良猫を捕獲しダンボールに入れ連れてこられても、(必死な猫が)開けた途端飛び出して暴れるため、怖くてフタを開けられないと獣医師の中島先生がおっしゃっていました。
そのように、捕獲だけでなく円滑な麻酔および手術移行に捕獲器は「地域ねこ活動」のマストアイテムなのですが、現状まだ松戸市には捕獲器の用意がありません。
この件は今月(2017/6月)開催の地域猫セミナーでも話題になりました。
(1) 松戸市でも地域猫を広めるには?セミナー質疑応答 2017年6月11日(千葉県) – YouTube
個人的には、貸与捕獲器の保有は松戸市がどれだけ本気で地域猫活動に取り組んでいるかのバロメーターに思えます。(自分の意志と関係なく下りてきた施策をさほど熱意も無くやっているのが大多数役人なので簡単ではないかと。やって給料上がる訳でもないでしょうし…)
ただ地域猫推進と言いつつ捕獲器を持たない自治体って「好きだ」「愛してる」と言いながらデート代を女に出させる男みたいに私は感じてしまうんですが…そういうと「性差別」って言われちゃうかな…
本気を感じない
現実は上から急に地域猫と言われ、仕事で仕方なくやっている役所の方々の頭がまだついていってない、貸与となれば捕獲器の管理が正直面倒・やりたくない…事情が察せられます。時間はかかりそうですが、地域猫活動普及に避けられないアイテムであり、今後に期待しています。
(2019/6月追記)Amazonで一番人気の捕獲器。安い物が出てくるようになりました。M,L,LLとあり、M¥4,980~(2019/6月時点)。でも一番人気は中くらいのような。もちろん踏み板式です。

毎度のアナウンスですが、餌吊下げ式より踏板式がおすすめ。少額を惜しんで使い勝手が悪く猫がかからなければ本末転倒。
捕獲器は一度買えばずっと使えるため、町会レベルで取り組めるなら環境保全費用として町会費で買ってしまっていい物です。ただ
- 誰の家にもあるモノではない
- その地域の猫を捕獲し終われば不要に
- 野良猫の不妊去勢をしたい個人が多い
コトの性格上、本気で「市として推進」と言うなら、地域環境改善に重要な道具なので、活動者に貸与できる捕獲器を自治体が持つことは理に叶っています。早く導入すればそれだけ早く猫が減るんですから。
が、市民側も市での購入を「当然」とは思わないことでしょうね。権利と義務はワンセット。市で買え、と言う人は自身が「出来る事はしている」のも当然と私は思いますよ。
※市レベルで地域猫活動に捕獲器を貸与している自治体…大阪の枚方市等が行っています。
Q5 現在8匹の子猫を抱えている。里親団体が知りたい。
(17/6/11セミナーでの問合せ)
A5 お住まいの近くの譲渡会を探してください。(以下参照)
猫の赤ちゃん。こんな頃ならどこでも貰い手つきやすいだろうけど…
自治体
松戸市の場合「動物愛護センター東葛支所」が会場になり、月1回「飼い主探しの会」が開催されています。※1不妊去勢手術の不備で望まない仔猫が生まれた等の引取り相談から、貰い手探しのチャンス提供目的でスタートとのこと。そのため参加に以下条件があるそうです。
- ご自身で飼っている猫
- リピート不可(また産まれちゃった…のような理由は許されないため)
「飼い主さがしの会」での県のスタンスは「場所提供」。とはいえ、猫が欲しい人と猫をあげたい人の貴重なマッチングの場の一つであり、貰い手を見つけるチャンスを増やすためにも問合せを。
※1【重要】「譲渡会」と「飼い主探しの会」は別の催しだそうです。(開催日も異なる)
目的
- 譲渡会…愛護センターに収容されている動物達の譲渡
- 飼主探しの会…飼主を探す県民と飼主になりたい県民のマッチング場所提供
民間
「松戸 譲渡会」等で検索すると見つかります。「ジモティー」のような地元の人同士をつなぐサイトへの情報掲載は、手間はそれほどかからないのでぜひ行ってください。
その他(猫の里親探し方法)
ご近所さん、かかりつけ動物病院・お店へ貼紙依頼、行く先々で「猫欲しい人いませんか」、SNSやブログで呼びかけ、可能なら地域新聞掲載など自分の持ち手は全部尽くす。
毎日その子の写真をアップしていく愛護団体のブログは、時間は少しかかっても猫をもらう方もその子の状況が解り安心できる良い方法で、見習う所が多くあります。
セールスポイント(猫をもらってほしい時、売りになること)
- 子猫・若い猫
- 不妊去勢手術済み(生後半年経ったら猫のため人のため、実施しよう)
- トイレのしつけ済み
- 人懐こい(可愛がって人好きに育ててあげよう!)
あとは餌の種類等、猫を貰いたい人に聞かれる事に答えられるようにしておいて欲しいとの事でした。
Q6 公園で地域猫活動をしたいが「ここで餌をやるな」の立札が。どうしたら?
(17/6/11セミナー、千葉県内・某I市住民からの問合せ)
イメージ
A6 松戸市の場合(市からの回答)
地域猫活動希望者の話をよく聞き、実態を把握した上で「無責任なエサやりさん」でなく信頼できる「地域猫活動者」として認められれば、環境保全課から公園緑地課へ活動許可依頼を出します。
松戸市の場合ね
この点、松戸市の対応は柔軟で評価できます。I市では、公園での地域猫活動は一切認められず、居着いた猫のハンドリングもできず混乱が続いているそうな。猫に言って聞かせるワケにもいかず…><
上記のように運用は千葉県内でも市により違うようですが、幸い松戸市の場合「交渉の余地がある」ので松戸市住民は問合せを。(当然、信頼される活動が持続できる前提ですよ!)
餌やりをめぐる現状-地域猫活動が進んでいる地域はどうしてる?-
エサやり啓発看板 コレクション
www.geocities.jp/noranekogaku/gyouseikanban/tobira.html
一方的な「エサやり禁止」でなく「後始末・不妊手術との併記」看板は、東京都と神奈川県しか見当たらなかった。いずれも国内では動物愛護意識が高く殺処分数が少ない地域だが、それが見事に現れている。一方、わが千葉や隣の茨城は処分数ワーストで有名。歴史の差。
「餌やりをめぐるイザコザ」は、けっきょく地域猫活動者の「ふるまい」が解決の決め手です。私を含め地域猫活動を進めたい人は、猫嫌いや無関心者への対応を「自分の人格を磨いてくれるありがたい修行」と思い受け容れる度量・そして根気が要るように思います。。
「猫のためいい事をしている」ではなく「猫を通して人格を磨かせて頂いている」と思ってみては?天は必ず見ている。解決できない問題は与えられないはず!
Q7 金銭的に負担です。皆さんどうしてますか?
(17/6/11セミナー、これから活動を始めたい人の問合せ)
A7 中金杉地域の会の場合
県に地域猫団体申請する際、必要だったので町会長の印をお願いした所、自然と「出来る事はする」という話になり(頼んだわけではないが)数万円予算がついた。
中金杉地域猫の会リーダーが回答(17/6/11はじめましょう!地域猫セミナー)
このエピソードに良く表れているように、その人の信頼に比例して協力者(とお金)が集まるようです。ミもフタもない解答ですが…
そのように地域猫活動は、始めようとする人のこれまでご近所で培ってきた人望や信頼など(ひっくるめて「人徳」)により、その後の展開や進展スピードが異なります。
別にだからダメという事は無く、信頼関係が無ければこれから築いて行けばいいし、お金が無ければ当座、自分で出せる範囲で出していけばいい事です。
コラム:地域猫に興味がある方へ、解ってきたこと
地域ねこ活動=地域の人相手の活動
地域猫活動をこれから始めるとしたら、現実にはまず猫嫌いや餌やりで迷惑している人の話を「聞かせていただく」事からスタートでしょう。(それが自分のした事でなくても…)
地域猫活動で必須の行動は猫の餌やり・トイレの始末だけでなく、何より「周辺住民へ理解を求めるための説明と周知」なので、その実態はかなり「対人の社会活動」になります。
つまり「猫と仲良し」になれる能力だけでなく「人間とも仲良し」になれないとうまくいかない。ここが地域猫活動最大の難所で「人間より猫との付合いが好きな人」にとっての壁が現れる感じ。(猫をめぐるトラブルのほとんどが、人間同士の意志疎通トラブルです)
ただし一番大事なのは「根気・継続」で、色々話をうかがってきた限り、活動者が猫に関わる人達とのコミュニケーションを投げ出しさえしなければ、必ずいい方向に行きます。
不幸な野良猫が減れば猫もハッピー、人間もハッピー。小さな命のため頭を下げ罵詈を耐え忍び、暑い日も寒い日も餌やトイレの世話をする事は菩薩の行いです。だから間違ってはいない、けどみんなに認められるまでが大変な活動、ということでしょうか。
地域ねこ活動は起業と同じ
自治会長をはじめ、周辺住民へのアナウンス必須
考えたら周辺住民にとって「迷惑な野良猫」だったものを「地域猫」に昇格させる=新しい価値観を導入、関わる人に根気よく説明、不妊去勢手術、猫の餌やり、トイレの世話を実行…していくんですから、それはもう起業ですよ。
誰にとってもそれなりに大事業で、何より他人の心への想像力が要ります。経済的なこと、世話の手間、周知広報1人ではなかなか大変。手分けして分担できる事がベストです。
あなたの負担軽減のためにも猫のためにも「協力者を得ること」を諦めないで下さい。自治会に入っていなければ加入をおすすめします。ご近所づきあいですね。
「猫への愛」だけでなく「他者への想像力と忍耐」不可欠
世の中に一番多いのは「無関心な人」…理想はどんな人の声にも耳を傾けることだけど…
個人的に「地域猫活動」で一番大切なものは「人づきあい」具体的に言うと「他者への想像力」でしょうか。「他者への想像力」を更に具体的に言うと
- 猫嫌いな人
- 猫に無関心な人
- 猫は好きだけど庭にウンチされて怒っている人
- 仕事でカタチ上推進しているけど、猫問題に知識も情熱も無い役所の人
猫好きだって自分の庭にウンチされたら嫌だよ!そして猫にここはいい、ダメを見分ける能力は期待できない…
…そんな「猫をめぐる関係者」の気持ちを想像できる力。これが無いと、地域猫活動はなかなか、前に進んでいきづらいようです。
もちろん自分のこととしても、ホント色々大変な活動だなあと。だからこそ仲間が必要とも。地域ねこ活動って物理的にも精神的にも仲間がいないときついですよ!個人活動家が多くそのネットワークを繋ぐ必要も痛感、そのための企画を考えています。
上手く行っている人は例外なく「誰かとつながる事を諦めなかった人」です。仲間を作る事が一番大切です。
後記
そもそも野良猫が多いから地域猫という話になる
色々述べましたがこれでも不妊手術助成金制度が無い流山市や我孫子市に比べれば松戸はマシなんです(-_-;)流山や我孫子の猫達のためにも、この流れが波及するように頑張りたいもの。
調べるほど東京・神奈川のレベルの高さ(というか千葉のレベルの低さ)に呆れましたが…結局、大事なのはどの立場であれ「今、自分に出来る事をやる」それだけの気がしています。
ボク達アテになりません!!頼らないで!
以前、上映会でかけていた映画「犬と猫と人間と」(2009年)で知りましたが、そもそもイギリスには「野良猫」がいないそうです。(ロンドンに掃いて捨てる程いるとも言われるが…少なくとも「野良は無料で不妊手術」できる制度があるとロンドンの猫好きが書いています)
薬物中毒治療中の猫好き音楽青年が、当時のほぼ全財産を使い拾った野良猫に医療を施し、二人(?)は友達に…。心暖まる展開が解っているため安心して読める。
欧米の多くのペットショップに生体(生きた動物)が売っていない事もよく知られていますね。
日本の野良猫の多さは、「誰でも好きに動物が買える」すなわち動物を飼うハードルの低い現実と見事につながっています。
10年前、日本の「犬猫殺処分」にショックを受け、調べるうちに欧米や日本と全然状況が違う事を知り、それは何故なんだとまた調べ…自分なりに解ってきたこともありますが、動物を巡る活動で一番大切な事は何でもいいから「自分がやる」ことです。
誰もやってくれない。その事実ホントに解ってますか
私を含め、動物の好きな人にしてみれば、県も市も(日本の行政と人の意識が)動物に対する福祉状況はまだまだ(理想に比べれば)話にならないレベルだろうと思います。
でも今回、地域猫セミナーの動画を編集していて…私を含め市民もまだまだ頑張っていく余地があるのでは、という気が素直にしました。
「天は自ら助けるものを助く」(1859年 サミュエル・スマイルズ 自助論)
「国が自分に何をしてくれるかではなく、あなたが国に対し何ができるか問うてほしい」 (1961年 ジョン・F・ケネディ 大統領就任演説)
今回、地域猫の記事をまとめ中この二つの言葉が浮かんで仕方なかったんですが、ウーンこれはアメリカ人の考え方なのか?(゜-゜)でも地域猫問題で私が一番思うのはこういう事なんですよね。野良猫の事って本当に「誰にも当事者意識が無い」ことが問題なのであります。
猫や犬を助けてくれるのは役所ではない
犬猫にご関心、お有りでは無いようです
「誰かに変えてもらう」その発想が一番いけない思考という気がしてならないです。自分から何かする人が本当に少ないんだなって学びました。
そもそも松戸市の「野良猫の不妊去勢手術助成金を導入」とか、「地域猫を広報紙の表紙に」といった野良猫問題に心を痛める人にとって喜ばしい変化は、別に市の自発的な提案により実現した事では決して無いという事実があります。
松戸市の助成金制度は最終的に市民の要望で決まったそうです。議員がやったわけではない(複数政党の市議が言っていましたが、最終的には市民からの要望を考慮したそう)。つまり、不満だけ陰で言っていて何もせず動かない人は、野良猫問題の解決には何の役にも立っておりません。
結局は、不幸な猫を減らしたいと考えた時、あなたや私のようなその辺の、動物を愛する一般人が頑張るしかないのです。近所の人に言う、市議に言う、役人に言う。どちらでも、もちろん全部でも。餌やり仲間募集一つにしろ、人間とのコミュニケーションでしか解決しない問題なんですよ。
誰かに要求するだけの人は物事を変えられない
私の所には、自分は面倒見られないけれど、そしてお金も出さないけれど、どこか保護してくれる団体を知らないかという問合せがとても多いです。そんなユートピアどこかにあるなら私が電話します。
犬や猫は税金を払っていないんですから、私達動物の好きな人が手も金も出すしかありません。両方無理なら、せめて意見くらいは役所や市議会議員へ出して下さい。何もせずに文句だけ言いながら動かないいい年齢の方々に、正直、呆れ果てています。
高齢化社会ってこういうこと?…(><;)
近所づきあいは立派な地域猫活動
人は、自分を認めてくれる人を認め、信頼します。だから挨拶は大切で基本です。
例えば1人でいないで、町会参加、ご近所に挨拶。できる範囲で自分の周囲に理解者を増やしていく。どれも効果的な地域猫普及活動です。
猫だけが好きな人は、まず地域の中で信頼関係が無い人が多いです。でもそれだと話を聴いてもらえません。生物ですから人間の子どもを育てると同じ、1人ではできない。1人ならお金も少しは無くてはできない。手術代、餌代、医療費。(それで「お金も無い」だと残念ながらThe END「打つ手無し」です)
だからご近所づきあいはとても大切です。
猫とだけ仲良くしていた方は、そういうことが苦手な方が多い印象です。私も別に得意じゃありませんが…それが難しかったら少し離れた地域で仲間を探すでも、議員に言うでもいいじゃないですか。事態は「人間」とのコミュニケーションでしか変わらないんですから。
動物の好きな方に言いたいのは、「人間」とのつながりを諦めたら、そこでおしまいですよ。動物が本当に好きなら、人間とつながるしかありませんよ。
今だけ自分だけを貫いて、飼猫飼犬を後に残して保健所行きにする高齢者が後を絶たず、すごい問題になっています。
あなたはそういう人になりたいですか。それとも、あの人がいてくれて良かったと思ってもらえる方の人になりたいですか。
猫や犬を助けられるのは、私たち市民です
本記事一番下にこの前のセミナーを映した動画を掲載しました。役所も市民も含めた「松戸市の現状」が映っています。良かったら観てみて下さい。4分ほど退屈かもしれません。でも自分で言うのもなんですが、そういう意味ではすごく興味深かったです。
しょせん役人も政治家も、市民のレベルに応じたモノしか持てません。そして良くしていけるのは私達市民です。
税金を払っているのも、一票を持っているのも、あなたや私。今そこにある野良猫問題に対し、小さくても何か行動する力を持っているのもあなたや私。
でも政治家も役人も、私達市民がテキトーだからすごくなめられているということが色々活動してみて、解ってしまいました。
世の中を動かし変えていく力は、役人や政治家ではなく私達にしかないのです。
中々大変な事ですが、私はまだまだ!こりずに地域猫普及企画を温めています。笑 不幸な野良猫と地域の住民トラブルが減る地域猫活動を、共に広げて参りましょう…。
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